筆跡鑑定は、遺言書や契約書(署名)、誹謗中傷文等にある問題となっている筆跡と、その他照らし合わせる資料にある筆跡(以下、対照筆跡と呼ぶ)とを検証しますが、この対照筆跡の質や量により鑑定結果の内容に違いが生じることがあります。

理由は、筆跡鑑定は問題となっている筆跡と対照筆跡との検証である為、対照筆跡の質(充実度合い)によって鑑定の内容が変わるからです。

筆跡鑑定で明らかにするのは、主に目でみて理解や判断ができる筆跡特徴の一致点や不一致点についてです。当然のことですが筆跡鑑定にスピリチュアルなものは一切存在しませんので、目の前に揃う筆跡以外に検証の余地はありません。

別のいい方をすれば、充実した対照筆跡資料が揃えば、突き詰めた検証が可能となります。検証の質が高まれば、おのずと鑑定結果は断定的な言及へと近づいていくのです。

前述の通り、問題となっている調べたい遺言書や契約書(署名)、誹謗中傷文等にある筆跡(資料)は変えようがありませんが、対照筆跡に関しては依頼者や弁護人の方々の努力(鑑定資料の収集)によって、より良い鑑定結果が期待できるものとなり、必然的に精度の高い筆跡鑑定となります。

では、具体的に「よい対照筆跡」はどのようなものであるか、以後②~⑤の4回に分けて詳しく説明していきたいと思います。